うちはマンション住まいなんですが、いわゆるハーフバルコニーというやつなんですよね。狭いんです。
まぁ洗濯物なんかは問題なく干せてはいるんですが、なんかこう、狭いと余計に明るくおしゃれにしたいと思うんですよねー。
もちろん広いバルコニーなら尚更そう感じるかもしれません。
モットーとしては「手軽に」「なるだけ少ない道具で」です。
お金か手間、あるいはその両方を注ぎ込めばいくらでもきれいな仕上がりにはできますが、手間とお金のコスパがなるだけ良い方法を追求したいと思いました。
どんな方法があるか?
バルコニーをおしゃれにする定番と言えば、
・ウッドデッキ
・人工芝
・タイル
が挙げられます。とかでしょうね。
ウッドデッキ
施工業者に頼むものから敷くだけのものまでピンきりです。
ある程度組み上がったものを自分で組み立てるタイプもありますが、いずれにせよノコギリを使用した形の調整は必要になってきます。
正方形状の部品を嵌め込んで敷いていくだけのタイプの製品もあります。
手軽できれいに仕上げることが可能ですが、「正方形の1ブロック」の連続になってしまい「長い板を使用した普通のウッドデッキ」とは違った仕上がりになってしまうのは好みが分かれるところですね。
人工芝
これも正方形状のものを繋げていくジョイント式、ロール式など色々なものがあります。施行は比較的簡単かと思います。切って敷くだけですからね。
ただ全面を人工芝にするのは個人的にあまり好みではありませんでした…。アクセントとして用いるのは良いかもしれませんが。
タイル
この場合も本格的な施行は業者に頼むことになりますが、費用は安くないです。
が、しかし!
タイルにも正方形状の部品を組み合わせて敷いていくだけの手軽なタイプのものがあります。
タイルデザインならその組み合わせて敷いていくタイプでも不自然に見えませんよね。さらに、今はその素材に工夫が施された商品もあります。
ということで、今回はタイルを敷くという方針にしました!
その前に…管理規約の確認!
マンションのバルコニーは専用使用権のある共有部になっていることが普通です。
あくまで共有部であり、また火災・災害時には避難経路にもなるため、置いておけるものや施行可能な加工は管理規約により制限されているはずです。
必ず管理規約を確認しましょう。
うちのマンションの場合、
次に掲げるものを設置できるものとする
という中に
床に接着しないウッドデッキ、タイル、人工芝
という項目がありました。
“床に接着しなければ” OK、ということで施行可能であることが分かりました。
TOTOバーセアとは
今回使用してみたのは、TOTOの「バーセア」という敷いていくだけのタイル式のものです。
タイルの裏側にプラスチック製の部品が接着されており、その部品にある「突起」と「くぼみ」をはめ込むことでタイル同士を連結させることができます。
このサイト下部からオンラインカタログも見ることができますが、色々なデザインがあって見ているだけでも楽しいです。
保水効果(打ち水効果)あり!
さらにその中に「MTシリーズ」というものがあります。
その特徴は保水効果です。
素材そのものに保水機能があることから、打ち水効果を持続させることができるそうです。
小さなタイルが3×3枚で1ユニットとなっており、3種類のカラーバリエーションがあります。
ちなみに1㎡に相当する11ユニットあたり、1Lの保水力があるようです。
打ち水効果を持続させる保水機能つきだから、夏の暑い夜でも打ち水による心地よさが持続したり、また、強い日差しの照り返しによる植物の夏枯れの抑制対策にもなります。土に近い素材を使用しているので年月にともなう風合いの変化を楽しめます。
その打ち水効果により、ウッドデッキやコンクリートと比べて周囲の温度上昇を抑制してくれるようです。
エアコンの室外機を濡れタオルで冷やすと冷房効率が良くなることがTwitterからちょっと話題になったりしましたが、この保水・打ち水効果で室外機の周囲を少しは冷やしてくれるのではないでしょうか?
設計図を作成する
さて、まずはどのようにバーセアMTを敷いていくか大まかな設計図を作らねばなりません。
まずバルコニーの各辺の長さを測ります。
自分はかなりいい加減なので裁縫用具に入っていた巻き尺で測定しましたが、レーザーを利用して光学的に距離を測定できる器具もあります。
それをもとに1cm=1mm程度の縮尺でバルコニーの大まかな形を作図をし、バーセアをどのように敷いていくかを作図していきます。
バーセアの1ユニットは30cm x 30cmのサイズとなっているため、1辺30mmの正方形をバーセア1ユニットとして作図すると良いでしょう。
先に述べたように、バーセア1ユニットはタイル9枚(3 x 3枚)が柔軟性のあるプラスチックで連結された構造になっています。
このプラスチックはカッターで切って分割することができますので、最小で1辺10cmのタイルにまで分割できます。
それ以上の分割や整形をするのであればタイル自体を切断処理するしかなく、それにはノコギリ等の工具や技術が必要になり、また切断面からの劣化や機能低下なども考えられるため現実的ではありません。
なのでタイルの最小単位は1辺10cmの正方形と考えましょう。
つまり、
・基本単位は1辺30cmの正方形
・最小単位は1辺10cmの正方形
として、バルコニー内になるだけ多くのタイルを敷き詰められるように作図をしていきます。
隙間をどうするか?
当然ながら、全ての辺が「“10の倍数”cm」でもない限り、バルコニーにバーセアを隙間なく敷き詰めることは不可能です。ほとんどの場合で必ずバーセアを置けない隙間部分がでます。
その部分をどのように割り振るかは個人の好みにより、以下のいずれかのコンセプトで行うことになります。
A. 隙間はなるだけ均等にする
これは私が最初に作成した図ですが、これは隙間のトータル面積は多少大きくなったたとしても、「隙間をなるだけ均等に空ける」ことを優先して考えた配置です。特に奥と手前、および避難ハッチの周りの隙間がなるだけ同程度の幅になるようにバーセアを配置しています。生じた隙間は専用の部品で埋める方法があります。こちらに解説しております↓
さて、このコンセプトで作図すると以下のようになります。
紙が汚くて申し訳ありません(笑)
B. 可能な限り敷き込む
これは、考えを変えて「とにかく可能な限り多くのバーセアを敷き詰める」ことを優先してに描き直した図です。
雑な線が入って見苦しい図で申し訳ないのですが、最初の図と比べると “バーセア全体を手前にずらし、それによって新たに生じた隙間にさらに追加して敷き詰めている” ようになっていることが分かるでしょうか?
この方法は必要なバーセアの枚数が増えて加工の手間もよりかかりますが、隙間をかなり減らすことができます。
なお描き込んである数字は、バーセア1ユニットの必要枚数を数えるためのナンバリングです。誤りもあるのであまり気にしないで下さい。
このA、Bのいずれのコンセプトでも構わないと思います。
必要なバーセアの枚数を数える
次に、作図に基づいて必要なバーセアの枚数を数えます。
ここで注意すべきなのは、
ということです。
どういうことかと言うと…
バーセアの構造と必要枚数のカウント
この飛び出ている部分を「メス」とします。
対して、バーセアを裏側から見るとこのようになっています。
たくさんある突起の部分の1ヶ所を赤丸で囲んでみました。
拡大するとこれです。
この無数にある突起がメスに嵌まり込むことで連結できるようになっています。これらの突起を便宜上「オス」とします。
この「オス」は、タイルの1枚1枚を縁取るように非常に多く設置されていることがお分かりでしょうか?
つまり、以下のことが言えます。
・バーセアの構造から「メス」は1ユニット全体の中で限られた部分にしかない。・「オス」はメスの部分を除く全ての部分に「タイル単位」で存在する。
・つまり、タイルをどのように切り離したとしても、そのタイルのとある1辺には、メスが存在していない場合は必ずオスがある。
ではこのような組み合わせが必要なとき、
この部分の3枚をどうしたら良いでしょうか?
全ての辺を連結させて組み合わせようとすればこのような組み合わせが必要になりますが、
ここは1ユニットから1つずつしか取れません!つまりここだけのために3ユニットが必要になるんですね。
一方、このように連結するとしたらどうでしょうか?
こうすればここの部分は1ユニットを3等分することで全てまかなえます。使うユニット数が少なくて済むのですね。
その代わり連結できるのはタイルのうちの一部分となります。
が、連結自体がしっかりしており、またバーセア自体の重みもあるため、どこか1箇所でも連結できていればズレたり吹き飛んでしまうようなことは滅多なことでは起きません。
完璧を目指すなら(全ての辺を連結させたいなら)前者の方法を採るべきではありますが、コスパを考慮するなら後者の方法も十分にアリかと思います。
ただし、必ずどこか1辺は連結するようにしましょう。その方がズレを防げますし、安全性の面でも安心できます。
まとめると…
・連結部分を多くしようとすればそれだけ多くのユニットが必要になる。
・連結部分を妥協して減らせば最小のユニット数で済む。
バーセアの購入はギリギリかやや少なめで
さて必要な枚数が決まったら、バーセアを購入しましょう。
ただ、配置作図の段階で勘違いしていたり、実際にはスペースが狭くギリギリで敷けない、などの事態が必ず起こります。まぁ必ずではないですが…
何が最悪かと言って、多めに買って余ってしまうこと以上に最悪なことはありません。1~2ユニットだけバーセアが余ったところで使い途はまず無いですから。
なので、
ようにした方が無駄はなくなると思います。
購入は通販がオススメ
バーセアはホームセンターなどに普通に売っていますが、バーセア1ユニットは1.9kgあります。
ウチの場合、計算上では38ユニットが必要ということになりました。
実に72.2kg!
バーセアは1ユニットごとのバラ売りの他に10ユニット1箱でも販売していますが、1箱は19kgになります。
ウチの狭いバルコニーで30ユニット以上必要だったわけですから、広めのフルバルコニーなら60ユニット以上、つまり114kg以上の重量が必要になります。
19kgの箱を6箱以上ホームセンターから運搬するのは極めて困難です。
昨今は店舗での配送・運搬サービスもあったりしますが、
ことを強くオススメします!
具体的な作業のレポートはこちらをどうぞ。
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