機械式駐車場を探す時の注意点は?車幅1850mm制限には色々な問題があります。

車のパレット幅

駐車場探しに重要になってくるのが、収容可能な車のサイズ制限です。

特に機械式駐車場ではサイズが非常に重要になってきます、当たり前ですが。私も車のサイズでやや苦労しました。制限サイズ内に収まっているのに駐車ができなかったという経験もありました。

今回は駐車場のサイズとその問題点について解説してみます。

なお後述しますが、オススメの駐車場検索サイトはPMCマンスリーパーキングです。
駐車場において最大のネックとなるサイズについて記載してある便利な検索サイトとなっています。

機械式駐車場のサイズは3種類ほど

現在、機械式駐車場のサイズには統一規格が無いようです。つまり明確に「○パターンある」とは言えないわけですね。

ただ、おおまかには3種類ほどあると考えていれば間違いないです。

その基準として用いるのに便利なのは車幅制限です。

なぜなら、普通の車であれば駐車可能かどうかはおおむね車幅制限で決まり、全長や重量などは車幅に比例することが多いからです。

車幅制限はおおまかに以下のように分けられます。

①車幅 1700~1750mm 以下

②車幅 1850mm 以下

③車幅 2050mm 以下

 

①車幅 1700~1750mm 以下

これは「小さい!」といって差し支えないでしょう。

一般の月極として使われている機会式にはあまりないですが、旧式のタイプには時にみられます。

また最近のマンションの機械式駐車場でも、料金に差を設けるためにあえて設定してある場合があります。

どんな車種?

5ナンバーの車なら確実に入ると思って良いです。

ただ最近はプリウスですら車幅が1760mmなので、車のサイズが徐々に大きくなってきている昨今、汎用性という点では厳しいサイズであると言わざるを得ません。いわゆるコンパクトカーと言われる車しか現実的には停められないサイズです。

②車幅 1850~1900mm 以下

これは現在、最も多い機械式駐車場のサイズではないかと思います。

いわゆる国産車では「標準サイズ」と言えます。

国産車に乗る限りは十分に大きいサイズではありますが、欧州車を含めると大きいとは言えず、非常に微妙なサイズであるとも言えます。

どんな車種?

いわゆるDセグメントの一部~Eセグメントの多くが該当します。
Eセグメントは一般的にいわゆる「通常の高級車」と言われる車種が多いです。

ただし、国産車のEセグメント車はほぼ入庫できるのに対して、欧州車のEセグ車は入庫不可能になる方が最近はむしろ多くなってきました。今の時代は非常に微妙なサイズ制限であり、欧州Eセグ車のオーナーさんには悩みのタネになるところでしょう。

参考:https://greeco-channel.com/car/access_ranking_e-segment/

③車幅 2050mm以下

このサイズは機械式の場合、普通の月極駐車場としては数はかなり少ないです。

「大きいサイズ」と言ってよいでしょう。

一般マンションの駐車場で部分的に採用されている場合もありますが、ほとんどは分譲・賃貸に関わらず超高級マンションに採用されています。また、ビルの駐車場などにも採用されています。

どんな車種?

このサイズが適するのはほとんどが欧州の超高級車になります。もしくはアメ車ですね。ただ、超高級SUV車その他は規格外に近いものがありますので、このサイズ制限でも適さない場合もあります。

車幅1850制限は悩みのタネ

上でも触れましたが、この1850制限は実に悩ましい制限です。

車業界の世界的な傾向としてパワートレーン(エンジン)はダウンサイジング化が進んでいますが、対してボディサイズはなんだか知りませんが確実に大きくなってきているんですね。同一車種であってもほぼ全てのメーカーでボディサイズは大きくなっているはずです。

なので、それまでは欧州車も含め「大きめの車」にも対応できていた1850制限が、今は対応できなくなりつつあります

いわゆる「一般的な高級車」として認識されることの多い欧州Eセグメント車の現行型は、車幅が1850を少し超える程度のものが非常に多いです。車としてはありふれているのに、駐車場探しで難渋せざるを得ないことが多くなってしまうんですよね。

現行のメルセデス・ベンツEクラス(213型)は通常グレードなら車幅が1850mmですが、AMGグレードのE63になると1905mmですね(1,800万オーバーの車ですが)。

※なお213型のEクラスはフェイスリフト後に全幅1850〜1852mmになります。

アウディも現時点での現行モデルではA4、A5 (S5)までは全幅1845mmですが、A6になると一気に1885mm!一世代前は1875mmだったので、一気に10mmのサイズアップです。ハイグレードのRS6は2019年夏に発表だそうですが、さらに全幅は広がるでしょうね。

比較的コンパクトだった高性能スポーツカーであるポルシェ911も、最新型から全幅は1852mmに。

BMWの5シリーズも現行モデルは基本的に全幅1870mmです。

このように、一般にEセグメントとされる欧州車は通常グレードでも全幅1850mmを超えつつあります。

制限オーバーでも入ることは多々ある

実は、というか考えてみれば当然なのですが、駐車場はその制限のギリギリのサイズで作られているわけではありません。安全域も十分に考慮した上でのサイズ制限ですので、確実に余裕を持って設計されています。そのため、サイズ制限をオーバーした車種でも入庫可能なことは多いです。

たとえば私のマンションの機械式駐車場は最大サイズのもので車幅1850mmとなっていますが、カタログスペックで1900mmの車が実際に入庫できていることを確認しています。

これは車重でも同様なことが言えます。ガソリンの量や積載している荷物で車重はカタログ値よりも容易に変化しますので、十分に余裕を持って作られているはずです。

しかし! 制限サイズ内でも入らないことがある

これが最大の落とし穴です!

-車幅1900mm制限の機械式に車幅1882mmの車が入らなかった。

-車幅2050mm制限の機械式に車幅1900mmの車が入らなかった。

これは怖いですよね。いずれも私の実体験です。

余裕を持って設計されていて、かつサイズが制限内なのに入らないとは一体どういうことなのでしょう?

パレット幅の問題

私の場合は、いずれもパレット幅の不足による不適合でした。

パレットとは機械式駐車場で車を実際に乗せるトレイのような部分です。

parking_palet

引用:http://www.asap-net.co.jp/t1/index5.html

大部分の機械式はこのように車のタイヤが乗る部分を少し凹ませた構造になっているのですが、ここの幅が実にまちまちなのです(下図)。

車のパレット幅

車幅が制限内におさまっていても、パレットの幅が小さいと車を載せることはできません。仮にギリギリで制限内だとしても、タイヤやホイールを擦って傷める可能性が非常に高くなってしまいます。

前述したように、ひどいケースだと全幅は2050mmに対応すると書いてあるのに、このパレット幅は1850mmしかないなどというパレットもありました。

また、ギリギリでタイヤが収まるとしても、タイヤが載る部分の凹みが深かったり辺縁の角度がキツかったりすると、それだけタイヤやホイールを傷つける確率が高くなってしまいます。

理想的な “フラットパレット”

タワーパーキングで多く採用されているフラットパレットというパレットは枠状の構造になっていない1枚の平面で構成されているので、通常は収容可能な車の全幅とパレット幅の乖離がありません。

ただ、このタイプのパレットを採用している機会式駐車場は多いとは言えず、一般的に料金も割高になりがちとは言えます。

parking-of-flat-palet

https://parking.sumitomo-rd.co.jp/parking/img/park/222/7dfnnmyu1k.jpg

これは後述する住友不動産ビルの駐車場です。パレットが完全に平坦であることが分かります。

必要なパレット幅の計算

これは、要するに両側タイヤの外縁同士の距離になります。

よくタイヤ幅、あるいはタイヤ外幅などと呼ばれます。

これは、カタログスペックから計算可能です。

まず「トレッド幅」という項目をチェックします。トレッド幅とは両側のタイヤの「中心同士の距離」です。

車のトレッド幅

次にタイヤのサイズの記載を確認します。例えば

225/55 R17

のように書いてあったりしますが、この左端の「225」がタイヤの幅をmm単位で表しています。

タイヤの外縁同士の距離は、「“トレッド幅”+“タイヤ幅の半分x2”」になるので、要するにトレッド幅+タイヤ1個の幅」を計算すればよいわけです。

これがタイヤ外幅であり、それすなわち必要なパレット幅ということになります。

車止めの位置の影響(F、Rとは?)

車を横からみたときの前輪・後輪の位置というのは車によって色々です。

なので車止めが前方寄りに設置してあると、全長が制限内に収まっていても車のデザインによっては先端がはみ出してしまう場合があります。またギリギリで収まっているように見えても、センサーが反応してダメな場合もあります。

車のサイズのFとR

機械式のサイズ制限に「F」や「R」という項目がある場合がありますが、これが車止めの位置を加味した制限で、この図のFとRに相当します。かりに全長が制限内に収まっているとしても、Fが長ければ先端がはみ出してしまいますよね!

Rが長いと後端がはみ出すことになります。まあ、Rが長いだけなら後端がはみ出さないように(後輪が車止めに接するほど後退せずに)駐車すれば良いのですが、毎回それを正確に行うというのは無理があります。

厄介なことにこのFやRはカタログスペックに載っていないことが多いです。

ただし、車止めの位置は移設が可能である機械式もあります。そこさえズラせば安全に駐車できるわけですから、合理的と言えば合理的です。管理者に相談してみると良いでしょう。

ハイルーフ問題がさらに駐車場選びのハードルを高くする

車の全幅、全長の問題ときたら次にくるのは車の全高つまり高さですが、これは車幅や長さと違って明確に駐車スペースは区別されています

いわゆるハイルーフ、ミドルルーフといったものです。

ハイルーフは全高2,000mm程度まで、ミドルルーフは1,750mm程度、ロールーフは1,550mm以下程度が目安になりますが、ハイルーフとそれ以外、と分けている駐車場もあります。

最近人気のアルファードやヴェルファイア、エクストレイル、デリカなどはハイルーフに区分されます。ハリアーやCX-5などやや小さめのSUVはミドルルーフ、一般のセダンやワゴンはロールーフとなりますね。

これはもう、ハイルーフはハイルーフ以外には停められません(当たり前ですが)。
全幅や全長の問題はクリアしたそのうえでハイルーフ(orミドルルーフ)でないと停められないので、言うまでもなくハードルは高くなります。

都内のタワマンなどでは、全幅2050以上に対応するハイルーフが数十台の空き待ち…という場合すらあるほどですが、これはもうハイルーフである以上、どうしようもないということになります。

試し駐車は必須です!

今まで延々と書いてきましたが、最も言いたいことはコレです

上で述べたようにパレット幅は計算できますが、それらの詳細なサイズまでは記載や説明がない機械式駐車場も多いですし、カタログ値・設計値との乖離は実際にあります。

また特にFとRに関しては、通常の常識的な範囲のデザインなら問題ない場合が多いとは言え、実際に停めてみないと判断できない項目である場合が殆です。

とにかく実際に駐車してみるまでは何がどうなるかは分かりません。

入庫予定の車を既に所有しているならばもちろん、実際に停めてみましょう。

車がまだ手元に無い場合は?

では車を新規購入予定で、まだ手元に無い場合はどうしたら良いでしょう?

新車ならばディーラーから試乗車を借りることができます。購入予定の車種・グレードの試乗車がディーラーにあるとは限りませんが、頼めば必ず用意してくれます。

中古車の場合、まず販売店に相談してみましょう。ただ販売している車が自走可能な状態である場合は多くなく、借りることができる可能性も少ないです。その場合はレンタカーを活用しましょう。試し駐車のためだけに借りるのは出費としては痛いですが、駐車場で失敗しないためにはやむを得ない出費です。

また、新車・中古問わず有効なのは、同様の車種・グレードの車で既に入庫されている車が無いかを駐車場の管理者に問い合わせてみることです。入庫実績があれば試し駐車の必要性はかなり減ると考えて良いでしょう。ただし、オプションや使用しているタイヤによって状況が変わる場合があるので、試し駐車をするに越したことはありません。

重要なのは駐車場管理者、管理組合の判断

サイズ制限オーバーでも入庫可能な場合があるとは書きましたが、物理的には入庫可能でも、実際に入庫して良いかどうかは最終的には駐車場の管理者の判断になります。マンションであれば管理組合で定めたルールによることになります。

少しでも制限規定を越えたらダメと言われる場合もありますし、また車検証に記載してある車のサイズで入庫可否が決まるルールの駐車場もあります。その場合は僅かなサイズ越えであっても車検証上でオーバーしている時点で入庫はアウトですので、諦めるしかありません。

なお車検証上のサイズ表記はcm単位で、10mm以下は切り捨てとなります。たとえば車検証上で全幅185cm以下というルールのときは、実際には1859mmまでは停めることができるのですね。

これらのサイズ規定について実際はどうか?といえば、幾つかの機械式駐車場を見てきた経験からは、物理的に入庫可能ならOKとする駐車場がマンション付帯のものを含めて多い印象があります。

ただし、規定サイズ以上でも停められれば「黙認する」というパターンも多く、サイズオーバーが原因で万が一駐車場に故障や損害が生じた場合、修理費用を請求されるリスクもあることは頭に置いておいた方が良いでしょう。

駐車場の検索サイト

23区内などであれば特に、駐車場は慢性的に不足しています。
自宅や自宅マンションに駐車場の空きが無い場合は、まずはネットで検索して探してみましょう。

オススメのサイトはこのPMCマンスリーパーキングです。

掲載している駐車場は全て自社管理となっており、入庫可能な車の全長・全幅・高さ・重量が明記してあるのが非常に助かります。
もちろん、前述したように試し駐車は必須であることには変わりありませんが。

また、比較的料金が安い駐車場をピックアップしている印象があります。
駐車場に困っているときは、是非一度検索してみて下さい。

>> PMCマンスリーパーキングで駐車場を検索する

大型高級車の場合は…

ベンツ・アウディ・BMWのセダン/SUV上位グレード、ポルシェカイエン/パナメーラ、レンジローバーなどの大型高級車は、幅2050mm制限などの「大きいサイズ」の機械式でないと入庫が難しいことがほとんどです。

中には全幅2050mmまで対応と謳っている機械式駐車場でも、パレット幅が狭いせいで全幅1900mmの車も停められない、という所も実際にありますので、繰り返しになりますが注意は必要です。

一般の月極機械式では対応できないことも多く、またセキュリティ面も考慮すると、不動産会社が所有する自社ビルの駐車場を利用することがオススメです。

場所にもよりますが、大きいサイズにも対応している場合が多く、シャッター付きなどセキュリティ面も良好です。

ベントレーやアストンマーティンなどの超高級車やそのSUV、フェラーリやランボルギーニその他のスーパーカーの場合は、そもそも機械式はお勧めしません

まぁこのレベルの車を購入する方で駐車場探しに汲々とする人も少ないとは思いますが、複数持ちで敷地が無い場合などは、場所や金額を妥協してでもシャッター付き地下平置きに置く人が多いと思います。保険料にも影響してきますしね。

まとめ

・機械式駐車場で多い1850制限は微妙なサイズ!

・制限オーバーしていても停められる場合もあれば制限内であっても停められないこともある!

・可能な限り試し駐車は行うようにしましょう!

駐車場の探し方は以下の記事を参考にしてください!

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