クレジットカードはある程度以上のランクのカードになるとコンシェルジュサービスが付帯します。
よく使う人もいればめったに使わない人もいると思いますが、私はまぁ後者の方です。でもいざ必要なときにすぐ使えるのは、思いのほか便利だったりします。
先日、VISAによるコンシェルジュサービスであるVPCCと、楽天ブラックカード付帯のコンシェルジュサービスの両方を使ってみる機会がありました。
いずれもそこそこのランクのカードに付帯するコンシェルジュサービスとなります。
その使い勝手や感想についてレポートしてみたいと思います。
VPCCとは
VPCCをご存知でしょうか。
VISAプラチナコンシェルジュセンター(VISA Platinum Concierge Centerだと思われます)のことで、特定のVISAカードのホルダーが利用できるコンシェルジュサービスのことです。
公式サイトはこちらになります。
https://www.visa.co.jp/pay-with-visa/find-a-card/visa-platinum/concierge.html
※後述しますが、最近この公式サイトはリニューアルされています。詳しくはこちらをどうぞ。
これが利用できるVISAカードは、国内では以下だけになります。
VPCCは以下のVisaプラチナカード会員の方のみがご利用いただけます。
– SuMi TRUST CLUB プラチナカード
– デルタ スカイマイル SuMi TRUST CLUB プラチナVisaカード
– レクサスカード
– マイレージ・プラス《セゾン》プラチナカード
– スルガプラチナカード
– エポスプラチナカード
– 七十七Visaプラチナカード
– むさしのVisaプラチナカード
– 道銀Visaプラチナカード
– 北陸Visaプラチナカード
– タカシマヤプラチナデビットカード
引用:https://www.visa.co.jp/pay-with-visa/find-a-card/visa-platinum/concierge.html
“VPCCをご利用いただける会員様”より。
どれも年会費は概ね高額で入手難易度も高めです。
私が持っているのはこの中のSuMi TRUST CLUB プラチナカードになります。
このSuMi TRUST CLUB プラチナカード、なかなかの穴場カードでして、申込み制となっています。つまりインビテーションを待つ必要がありません。
年会費は35,000円+税となっており、プラチナカードの中では比較的年会費も抑えられています。ちなみに私はこの前身であるCitiプラチナカードからのホルダーです。
依頼方法は?
これがVPCCの最大のメリットと私は考えているのですが、依頼における最初の連絡から全てメールで完結させることができるという点です。
通常のコンシェルジュサービスはメール対応していない方が多いですし、後述しますが楽天ブラックカードのコンシェルジュはメールに対応しているものの、最初の連絡は必ず電話でする必要があります。
中にはメールを打つのがダルいという人もいますが…
じゃあ電話なら良いのか…ということになりますが、電話で問い合わせると、まず繋がらないとイライラしてきます。そして繋がった後も、必ず本人確認の作業が入ります。この時間が無駄で仕方ないんですよね…。
こちらの要望を伝えるときも、事前にかなりまとめておかないと必要十分な情報伝達ができなかったりしますし、伝え忘れたりすることもありますし、後から次々と思い出して付け足していったりすると相手の理解の妨げにもなります。
そもそもほとんどの相談内容はスグに答えが返ってくるものではないので、ほぼ必ず折り返し待ちになるわけです。どうせ即時性が無いのなら、メールの方が楽ではありませんか?
電話ももちろん使えます
もちろんスグに返答が欲しい、という場合などは電話を使えば良いんです。
当然ながら電話問い合わせにも対応していますし、電話代はかかりません(VPCC持ちです)。
楽天ブラックカードのコンシェルジュ (Mastercardコンシェルジュ)
楽天ブラックカードにもコンシェルジュサービスが特典として付属しています。
これは楽天ブラックカードや楽天固有のコンシェルジュではなく、MasterCardのコンシェルジュになります。
依頼方法は?
楽天ブラックカードの場合、初回は必ず専用ダイヤル(フリーダイヤル)への電話で用件を依頼することになります。
初回はカード番号やフルネームなどを含めた本人確認がありますが、その後に「合言葉」を設定・記録します。今後の本人確認を簡略化するためのようです。
※具体的にどのように簡略化されるかは、まだ1回しか依頼していないために不明です、すみません。
コンシェルジュからの返信は電話かメールのいずれを希望するかが選択できます。
メールを選択した場合、そのメールに返信することによりコンシェルジュと連絡を取れますので、さらなる依頼の追加や詳細の確認などもメールで行えます。この点はVPCCと同じですね。
つまり初回のみが電話、その後はメールでもやり取りできるということです。
ちなみに楽天ブラックカード取得の経緯や使っている理由などについては、こちらを…。
実際に使ってみた
今回は、会食に使う店舗のピックアップをお願いしてみました。
条件は
・予算1人10000円まで、大人5人、子供1人、フォーマルなお祝いの席、昼12:30から
・個室
・苦手食材への対応あり
・駐車場の対応の有無を確認
これ、都内だけあって自分で探すとなると大変です。
ウェブ検索すると候補が膨大になり過ぎるんですね。条件をいちいち問い合わせるのも大変ですし。
VPCC
まずはVPCCです。
先述のように私は電話が嫌いなので、最初から申し込みフォームを使って依頼しました。
※2019/02/21追記
VPCCのオンラインリクエスト用のページは大幅にリニューアルされました!
使用するには改ためてアカウントを再作成する必要があり、また依頼フォームのデザインも本記事とはやや変わっています。
以下をご参照下さい。
地域、日時と参加人数、目的・内容、予算やその他の条件を専用サイトから記入・送信するわけです。(※当初は、前出の条件とは少し異なった地区を対象にして依頼しました)
オンラインリクエスはここからサインインして行います。
https://www.visa-asia.com/premium/Profile/login.jsp?ws=jp&sitecat=platinum
(サインイン前に登録しておく必要があります)。
サインインすると、依頼フォームはこのようにフライト、ホテル、レストラン等のカテゴリに分かれています。それぞれ必要事項を入力して依頼することになります。
ただし、コンシェルジュがやってくれるのはそれにとどまりません。
上記ページの「その他のリクエスト」というところから、カテゴリに当てはまらないことを文章にして相談することができます。ここのフォームに自由に入力できます。
今回は比較的条件が多かったので、この自由入力フォームから依頼してみました。
ただし自由入力とは言え、字数制限があるようです。文字数の上限は明記されていませんが、気の向くままに入力していたらエラーで弾かれました。
何度か弾かれつつ依頼文を推敲しながら送信を続けた結果、VPCC依頼フォームの字数制限は全角300字以内だと思われます。
300文字あれば大抵の依頼は書けると思いますが、依頼に関する条件が多い場合は少し不足するかもしれません。その場合は電話で直接依頼するしかないでしょう。
リクエストを送信すると、受領した旨のメールが当日中に来ます。
このメールへの返信というかたちで連絡すると、さらに依頼・相談内容を追加できます。その場合は当然、文字数に制限はありません。これは便利ですね。
その後メールにて返信が来ます。今回は3日後に返信が来ました。
コンシェルジュがピックアップしてくれた店名、連絡先、URLに加え依頼した時の条件への詳細な返信もあります。これが特に便利なところですね!同じことを複数の店舗に問い合わせるのは面倒ですから。
ここで気に入った店があれば、コンシェルジュが予約も代行してくれます。
私の場合、選んでもらった店の情報は詳細で良かったのですが、いまいちピンとくる店が無かったので地域を少し拡げて再依頼してみました。
その条件が冒頭に書いた「都内某区のとある3地区」です。もちろん、再依頼は報告メールへの返信で可能です。
この2度めの依頼に関しては、指定した範囲が広かった為か、返信まで4日間とやや長くかかりました。
ただし、再依頼から2日後に時間が掛かっていることに関するお詫びのメールが来ました。
多少時間が掛かっても進捗状況が分かればそれだけでだいぶ安心できます。このあたりの細かい気遣いはさすがですね。
最終的に地域・予算の合う3店舗を提示してくれ、店舗のセレクション自体は満足のいくものでした。
しかし、提示された3店舗のうち2店舗で
との記載が…。
その日の予定上、今回はどうしても12:30開始にしたかったので(というより12:00開始は早すぎた)、この要望が無視されたかたちとなり、ちょっと残念でした。予算がネックになったのかもしれませんが。
なおVISAカードでの決済が可能かどうかの記載もありますが、VISAでの決済が必須ではありません。
その辺は太っ腹ですね。
楽天ブラックカード(Mastercardコンシェルジュ)
上記のようにVPCCのセレクションは少し残念だったため、引き続いてMastercardコンシェルジュにも依頼してみることにしました。
前述したような手順でまずは電話をかけますが、ここで一つ問題が。
なかなか繋がらない…
やはりというか、電話が繋がりません。電話での依頼はこれがストレスなんですよね…。
お待ち下さいというアナウンスのまま10分ほどが経過してしまいました。10分程度はたいしたことがないように思う人もいるかもしれませんが、ジッと待ち続けるのはかなりのストレスです。
諦めて数時間後に掛け直しました。
なお、なかなか繋がらなかったのは初回だけで、以後はスムーズに繋がりました。もちろんタイミングによると思いますが、なかなか繋がらないことがある、ということは事実です。
さて、口頭で条件を伝え、返信はメールでお願いしました。
きちんと回答期限を明示してくれた
すると、その電話したのは19:00頃だったのですが、「翌日の20:00頃までお時間を頂きたい」との返答がキチンとありました。
初回の依頼時に返信の目安が分かるのは良かったです!しかも約24時間後ということで、迅速ですね。
ところが…
伝えた日時が全く別のものに…(^^;)
メールはキチンと返って来て幾つか店舗がピックアップしてあったのですが…
利用日時と予算が全く違ったものでした(笑)
利用日は電話した当日の日付になっており、予算は全く異なっていました。
電話で確認してみると、店舗やコースの内容・予算は正しいものだったようですが、日付は勘違いされていたようでした。
予算についてはおそらく、定型文を使ったまま修正しなかったのでしょう。
これは率直に言ってお粗末としか…
その後改めて正しい利用日時の空き状況を確認したメールが送られてきましたが、3つ挙げられていた店舗のうち1店舗は既に満席ということで、2店舗に減ってしまっていました。
勘違いや定型文の修正ミスはコンシェルジュさん個人のものですし、これだけをもってMasterCardコンシェルジュ自体の評価を下げる必要はないと思いますが、うーん、今回に限って言えばお粗末と言わないわけにはいきませんね…。初回でこれだと、見限ってしまう人もいるかもしれません。
ただし良い点もあって、それはきちんと12:30から利用という条件に合ったお店をピックアップしてくれたことですね。
ラストオーダーの時間制限が無いお店、およびラストオーダーが14:00のお店でした。
また、いずれもVPCCが選んだものとは異なるお店でしたね。
なお返信メールには明記されていませんでしたが、電話でコンシェルジュと話した時には原則として支払いはMasterCardでお願いしますと言われました。
まぁこれを守らなかったからと言ってどうなるもんでもないとは思いますが…要注意人物とまではいかずともちょっとマークされるという可能性もゼロとは言えませんかね?
結局どうしたか!?
で、最終的にどうしたかと言うと…
自分で見つけた店をMasterCardコンシェルジュに頼んで予約してもらいました(笑)
これは決してコンシェルジュが無駄だったということではありません。
個人でちょっと検索して良さそうな店舗が仮に見付かったとしても、場所や価格・諸条件を含めてもっと良い店舗があるのではないか?という気持ちは消えることはないわけです。一個人の検索能力には限界がありますし。
そこにコンシェルジュへの依頼をも併用することによりよりベターな選択が可能となりますし、限られた時間の中では採り得るベストな選択をした、という気持ちになることができ、そのことの満足感は大きいと思います。
特にその会食が大事なものであればあるほど、そうですね。
VPCCとMasterCardコンシェルジュの比較まとめ
ということで、VPCCは2回目、MasterCardコンシェルジュに至っては1回目の利用に過ぎませんが、使用してみた印象をまとめてみます。
VPCC
- 初回からメールで依頼できて便利
- 正確かつ的確な返信
- VISAで決済する等の条件なし
- 返答には3〜4日間を要する
- 店舗の利用時間についてはこちらが妥協を強いられるような選択を提示された
MasterCardコンシェルジュ
- 初回は電話必須だが、なかなか繋がらない場合がある
- 返答はメール返信を選択でき、以後はメールでやりとりできて便利
- 利用日時と予算について認識の誤りがあった
- MasterCardで決済する条件あり
- 返信は24時間でしてくれた
- 店舗の利用時間を含めてこちらの要望を完全に満たす店舗を提示してくれた
とまあ、今回はMasterCardにちょっと分が悪い結果となってしまいましたが、たまたまイケてないコンシェルジュに当たっただけという可能性が高いです(そういうコンシェルジュ個人の質も含めての評価にすべきという意見もあると思いますが)。
個人的には、お粗末な点もありましたが、返信が早くこちらの要望を全て満たす店舗を選んでくれたMasterCardコンシェルジュが個人的には気に入りました。
また、今回はピックアップされた店舗は2つのコンシェルジュでダブりがありませんでした。
異なった視点から検索してもらうことができますから、複数のカード会社のコンシェルジュに依頼することには意味があると思います。
みなさんも是非、活用してみて下さい。
ちなみにインビテーションの基準は激しく謎の楽天ブラックカードですが、突撃でも取得できたという報告はちらほらあります。突撃で取得できそうな条件については以下で考察してみました。
コメント